白湯氏、認める。

 来を堂々闊歩することも儘ならぬこの御時世の中、白湯氏は、暇を持て余した神々の一角を、誰に頼まれたわけでもなく、至極純粋なボランティア精神の上にあぐらをかいて担っていた。

 氏は、名だたる神々の一員として、その持てる暇の数々を、Netflixで下品な映画の捜索や、よくわかりもしない、高尚な哲学書を読んだ気になってはまとめサイトで調べあげ、SNSで悩める女子の愚痴を拾い上げては

どしたん?話聞こか?

などと、Lineやリプライ、DMを送り、下品な映画や哲学書の話題などを持ち上げて、その持て余す性欲を発散させようとしていた。

 そのため、氏は句読点の打ち方すら忘れてしまった。

 これでは、あの大口を開けながら間抜けな顔でモエ〜と口走るだけの名だたる神々と同列に扱われてしまう、と危惧した氏は、すぐさま異世界転生を始めそうな文章力を向上させるため、ブログを始めることとした。